全日本文具事務用品団体総連合(会長・阿久津晄ねずらむ社長)は10月28日、東京・日本橋蛎殻町のロイヤルパークホテルで「第5回定時社員総会」を開催。公益法人制度の見直しにより中間法人制度が廃止されるのに伴い、一般社団法人に移行するための定款改正が承認された。これを受け、12月1日をもって一般社団法人となる。
また役員改選が行われ、阿久津会長、天野俶明副会長(愛知・丸天産業社長)が留任したほか、副会長に佐藤克夫理事(東京・文祥堂会長)が昇格。伊藤高之副会長(東京・伊東屋会長)は相談役に退いた。
総会は谷幹男理事(東京・不二屋)の司会で進行。物故者への黙祷を捧げた後、傘下44体中出席28団体、委任状14団体で総会が成立する旨宣言。
天野副会長が開会挨拶をした後、阿久津会長が「全文連が中間法人として総会をするのは今回が最後で、この後に決議をいただくが、来年からは社団法人としての総会を開くことになろう。社団化を契機に、物申す団体に変えていきたいと思っている。文具業界は大人しいと言われているが、若手の方々からは何とかして欲しいとのご意見を頂戴している。業界の先輩としても、(目に余る乱売等については)公正取引委員会とも話していかなければならないし、所轄官庁の経済産業省日用品室の方々にも意見を聞いてもらい、文具業界の活路を拓いていきたい。日本経済は土砂降りで、世界経済も百年に一度といわれる危機的状況にある。実体経済への悪影響で、我々中小企業も、銀行の貸し渋り・貸し剥がしにあったり、倒産の憂き目にあうケースも増えている。そんな中だが、業界団体が中心になって、お互いに助け合い、頑張っていこう」と挨拶。阿久津会長を議長に選出し、審議を行った。
平成19度事業(19年8月1日〜20年7月31日)については、岡本光司事業委員長(東京・岡本紙文具店)が@前年総会の状況A卸連・全文連地区ブロック会議=7月から8月に開催。19度はメーカー団体の全文協も加わり製・配・販の交流と協議が全国6ブロックで開催されたB新潟県中越沖地震への義援金=51万円が集まり新潟県連を経由して被災組合の柏崎紙文具商業組合に届けられたC文具の日キャンペーン事業=昨年で終了したが、繰越剰余金120万円余を本会計に繰り入れたーなどを報告した。
「全文くん」については、池田文雄運営委員長(東京・池田屋)が「平成10年に当時の通産省の助成をうけて、文具業界の高コスト体質の改善と生産性の向上を図り、構造的な諸問題を解決するための文具小売業支援ソフトとして『全文くん』を開発した。外商事業を中心とした販売管理システム、店頭業務を中心としたPOSレジによるデータ管理、それに関連した商品管理システムがある。平成14年、18年と2度バージョンアップを行い、19年はWindows Vistaに対応した新OS対応バージョンも完成させた。現在は約300社に導入されている。この1年では入れ替え、新規導入を含めて新たに8件が導入された。Windowsの改良が5年スパンぐらいで行われるため、その度に多額の費用が発生している。このため導入していただいた会社にはシステムサポート維持会員(SP会員)になっていただき、年会費2万円をプール。次回のバージョンアップ費用にあてていく。本来なら300社全員に会員になっていただきたいが、中にはシステムはこれ以上使わないなど消極的な理由で会員になっていない方もおり、現在は133社が加盟されている」と説明。決算も報告された。
文具資料館については、日本文具科学財団の江藤利雄理事長(東京・エトー)が、「歴史的な文具・筆・墨・硯などのほか、毎年のISOTでステーショナリーオブザイヤーを受賞した商品などもメーカーの協力で展示している。また昨年資料館にパートとして勤務した学生が、文具の歴史をテーマに卒論を完成させた。よくできているので、いずれこれを再編集して、冊子として発行することも考えている。維持会会員の皆様にもお配りしたい」と報告。「資料館は会員の方の浄財で運営されているので、今後も多くの会社や団体の皆様の協力をお願いしたい」と協力を要請した。
また資料館が主催して毎年11月3日に行っている「文房四宝碑・修祓の儀」では、大口の寄付を贈った東京プレジデントクラブ(鈴木和男会長)を表彰する件や、公益法人制度の改革にあわせ、同財団は「一般財団法人」になる意向であることを明らかにした。
文具券事業については日本文具振興且R本雅彦専務が「昭和57年に創業。31期を迎える。現在の加盟店は1万1000社。近年文具券などの前払式証票業界は様変わりし、特に電子マネーなどの普及はめざましい。このような環境下にあって、金融庁は前払方式の小口決済を含めた決済全般についての論点整理を行なっており、利用者保護や個々の取引安全確保の観点から、既存の法律関係にとらわれない制度のあり方について検討する必要があると指摘している。文具券事業も、これを踏まえ、健全な業務運営を今後ともしていく」と説明。19年度の実績は、発券が前年比88・4%の7億7085万円、回収が100・5%の9億611万円。創業以来の発券は314億2982万円、回収は263億8091万円。また21年3月31日に初めての文具券有効期限が到来すると報告した。
生命共済については、幹事会社の大同生命保険富永照也営業部長が、加入者2254名、保険金額48億5700万円。5月1日で交通傷害保険を取り除き、今現在は生命保険のみの制度となっている。制度運営費は死亡保険100万円について110円。ここから会員団体に対して払込保険料に応じた比率で支給しており、会運営の財源となっている。剰余金があれば配当するが、20年4月決算では支払保険金が10件3000万円あり、掛け金より給付金の方が多く配当金の還付はなかった。保険金額の総額は平成5年をピークに年々減少している。50億円を切ると来年5月に保険金額の引き上げが必要となるし、会の運営資金も細っていく。会員の皆様は現在加入しているほかの保険を見直してでも、是非全文連の保険に入って欲しいと訴えた。
ついで19年度決算を八木康夫会計理事(神奈川、マルハチ)が、また監査報告を松本健次監事(東京、マルエー)が、20年度事業計画と予算案を天野俶明副会長が上程し、いずれも満場一致で承認された。
阿久津会長は「厳しい財政状況下ではあるが、12月から一般社団に組織を変更。これを機会に事務局のスリム化を図るとともに、新たな事業にも取り組んでいきたい」とし、14年にわたって事務局長を勤めてきた松田親博氏が退任し、新事務局長に植竹喬NOMDA専務理事が兼任で就任する事務局人事を発表した。両団体の事務局を一本化することで経費削減を実現していく。
これをうけて松田親博前事務局長は「昭和31年にプラチナ万年筆に入り、北海道から九州まで全国を回っていた。平成7年に同社を退職。その後足かけ14年にわたって全文連の事務局に勤務させていただいた。私は今年で75歳の後期高齢者になった。内心では75歳まで勤めさせていただければと思っていたが、皆様のご協力で大過なく75歳を迎えることができたので、これを契機に退任させていただくことになった。長年にわたりありがとうございました」と挨拶。暖かい拍手がおくられた。
ついで規約改正を議長が上程。12月1日からの組織変更にあわせ、呼称を「一般社団法人全日本文具事務用品団体総連合」とするなどを決めた。
また役員改選が行われ、瀬戸徹理事(富山、瀬戸)を委員長とする選考委員会で審議。別掲の通りの新役員を選出。佐藤克夫新副会長が「阿久津会長は続投されるが、伊藤副会長、山口峰司、谷、岡本の各理事など、永年にわたって全文連を支えていただいた方が執行部を離れるのは寂しい限りだが、新しい執行部がこれからの2年間、次の世代に引き継ぐべく、阿久津会長を支えていくことを誓いたい」と閉会挨拶し、総会を終了した。
|